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皆様の安心を消防設備からお守りしています、消防設備.jpです。
以前、火災報知器とは?についてご紹介いたしました。
火災に早く気づき被害の拡大を防いだり、避難したりするために有効な設備です。
火災報知器という、特定の機器があると思っている方は多いと思われますが
実は機器の「総称」でしたね。
本日はこの火災報知器のトラブルはどんなものがあるか?
それに応じた対処法についてご紹介いたします。
1番多いトラブルが、誤作動かと思います。
ほこりや煙、湿気などが感知器に届いて、誤って火災を検知することがあるのです。
火災報知器の中でも特に煙感知器は、ほこりや汚れに非常に敏感です。
煙感知器は、空気中の微細な粒子を感知して火災を検知する仕組みです。
しかし、ほこりや汚れもこの微粒子として検知されることがあり、
それが原因で誤作動を引き起こすことがあります。
例えば、キッチンや浴室、リビングなど、ほこりが溜まりやすい場所や換気が不十分な
場所で使っていると、火災報知器にほこりが溜まり、警報が誤って鳴ることがあります。
対処法は、ほこりは定期的に感知器を掃除することが重要です。
乾いた布で拭くか、エアダスターを使うと良いでしょう。
湿気が多い場所では湿度を管理するか、防湿機能付きのものに変更すると良いです。
火災報知器に使われるバッテリーは、一般的に充電不可の一次電池(使い捨て型)が多いです。
これらは長期間使用できるように設計されており、特に火災報知器用に長寿命で
高いエネルギー密度を持ち、通常の使用では2年〜10年の間にわたり交換不要で
使用できます。
火災報知器のバッテリーが切れている場合、警告音が鳴ったり、正常に動作しなくなる
ことがあります。バッテリーが完全に切れてしまうと、火災が発生しても報知器が作動せず非常に危険です。
対処法は、バッテリーが切れる前に、ほとんどの火災報知器は警告音を鳴らして
知らせてくれます。
この警告音は、通常は短い間隔で「ピッ、ピッ、ピッ」と鳴り、バッテリー残量が
少なくなったことを教えてくれます。
「電池交換警告音」が鳴った場合は、すぐにバッテリーを交換するようにしましょう。
また、バッテリーを定期的に交換することも大切です。一般的には1年〜2年に1回の
交換が推奨されます。
火災報知器本体の故障や、経年劣化による誤作動が考えられます。
また、ネットワーク型の火災報知器(Wi-Fi接続など)では、
接続不良や通信エラーが原因で正常に動作しない場合があります。
対処法は、火災報知器が古くなっている場合は交換を検討する。
多くの火災報知器は、10年程度で交換が推奨されます。
機器の動作確認を定期的に行い、問題があればメーカーに問い合わせたり
新しいものに交換したりします。
ネットワーク型のものは、インターネット接続やネットワーク機器(ルーターなど)の
状態を確認します。接続が不安定な場合は、設定を再確認することが必要です。
ちなみに、ネットワーク型の火災報知器だからと言って停電時は動かないというわけでは
ありません。
火災報知器本体は、バッテリーで動作しているため、停電時でも火災の感知機能には
影響しないのです。煙や熱を感知し、警報が鳴るという基本的な動作は問題なく行われます。
ネットワーク型になることによって、リアルタイム通知が受け取れなくなる恐れがあります。
複数の報知器が管理されている場合、ネットワークが切れると、管理システムからの監視や統合管理ができなくなります。
例えば、オフィスビルや工場で複数の火災報知器を一元的に管理している場合
停電で遮断されると、管理画面での状態確認や警報が遅れることがあります。
このため、バッテリーバックアップのあるネットワーク型火災報知器を使用し
必要に応じて「UPS(無停電電源装置)」を併用することで、停電時でもネットワーク接続を維持し、
通知機能や集中管理機能を保つことができます。
火災報知器は非常に重要な安全設備であり、日々のメンテナンスが命を守るために
欠かせません。
定期的な掃除、バッテリー交換、動作確認を行い、もしネットワーク型のものを
使用している場合は、UPSの導入も検討することが、停電時のリスクを最小限に
抑える方法です。
また、火災報知器は便利ですが、停電や接続不良が発生した場合の影響もあるため
バックアップ機能を十分に考慮して使うと安心です。
安全設備が正常に動作するよう、日々努めております。
もしお困りのことがございましたら、当社にご相談ください。